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【読書ばなし】愛子の小さな冒険

愛子の小さな冒険 佐藤愛子

 

好きな作家さんが90年代前半に出した書評短編集の中で、大爆笑させてくれる本として挙げていたので読んだ本。2017年に新装されたものを読んだけれども、もともとは1971年に本として世に出ていたもの。

 

著者について予備知識が一切ない私。本文から察するのは、戦争が終わった時点で28歳くらいだったこと、お父さんも文学者、莫大な借金を抱えて必死だったこと、万博のレポーターに引っ張られるくらいなので、きっと有名人であったろうということ。

 

雑誌の企画でラブホテル、パトカー、競馬場、美容整形などなど、一般人が気になるけれども体験できないあれやこれやを体験して率直に感想をまとめたもの。

 

声に出して笑いそうだった。

戦時中は、デブという人がなくなり、デブという言葉は古き良き昔を思い出させる言葉のようになったというのは、印象的。「あの頃はよかったねえ、たんとデブがいて」。この言葉に笑えるのは今が平和だからこそ。